泣く相方
さっき、相方から電話があった。
まだ仕事中だという。
相方はわたしの声を聞いて、電話の向こうで泣いた。
相方が泣くのはわたしに抱きしめて欲しいとき。
相方はわたしの一番にはなれないから。
わたしをよく知る相方はそのことも知ってる。
だけど、抱きしめて欲しいから、泣く。
かわいそうな相方。
泣いてるときだけ、わたしの心が相方だけに向くから。
死んでもうすぐ11年になる猫のことじゃなくて、
自分に心を向けられることを知ってるから。
わたしなんかに、捨てられるのが、怖いのかな?
相方なら、今からでも子供の産める全うなヒトを頑張れば見つけられるのに。
わたしと一緒にいることは、相方にとって不幸でしかない気がするんだけれども。
わたしだって相方を愛してるけれども、
相方の幸福を考えると、わたしでない方がいいんだろうと。
抱きしめてほしくて泣く相方を見るたび、
そう思ってしまうのだけどな。