嬉しい涙

今日、公募展の告知をした。

 

告知のハガキも出した。

 

ためらいがなかったわけじゃない。

 

こんな時に誰だって、ヒトの公募展どころじゃないだろう。

 

わたしだって心配だし。

 

でも、ねこの引き出しさんは、本来、わたしなんかが、出せる場所ではない。

 

それを出させていただくのだから、わたしも精一杯の宣伝はしようと思った。

 

コメント欄開けても、みんなスルーするかな。

 

わたしだって、極力出掛けたくはない時期だしな。

 

なんて諦め半分だった。

 

そしたら、〇〇さんが、行きたいとコメントをくれた。

 

〇〇さんは、わたしの下手な絵を一番好きだと言ってくれる。

 

コロナ禍によっては、わたしからストップを出すかもしれないけれど、

 

〇〇さんが来てくれるのならば、それで十分幸せかもしれないと思った。

 

からしょっぱい水が出てきた。

 

これは嬉し涙だ。

 

 

泣く相方

さっき、相方から電話があった。

 

まだ仕事中だという。

 

相方はわたしの声を聞いて、電話の向こうで泣いた。

 

相方が泣くのはわたしに抱きしめて欲しいとき。

 

相方はわたしの一番にはなれないから。

 

わたしをよく知る相方はそのことも知ってる。

 

だけど、抱きしめて欲しいから、泣く。

 

かわいそうな相方。

 

泣いてるときだけ、わたしの心が相方だけに向くから。

 

死んでもうすぐ11年になる猫のことじゃなくて、

 

自分に心を向けられることを知ってるから。

 

わたしなんかに、捨てられるのが、怖いのかな?

 

相方なら、今からでも子供の産める全うなヒトを頑張れば見つけられるのに。

 

わたしと一緒にいることは、相方にとって不幸でしかない気がするんだけれども。

 

わたしだって相方を愛してるけれども、

 

相方の幸福を考えると、わたしでない方がいいんだろうと。

 

抱きしめてほしくて泣く相方を見るたび、

 

そう思ってしまうのだけどな。

猫に会いに

「猫に会わせてくれる?」

 

ダメ元で言ってみた。

 

「会ってくれるの?」

 

あの人はちょっと嬉しそうだった。

 

わたしが、あの人のもとへ訪れたのは、あの人の死んだ猫に会わせてもらうため。

 

猫は、まるで眠っているだけのようだった。

 

わたしは、猫を撫でさせてもらった。

 

しょうがないことだが、やはり体は冷たかった。

 

でも、そのことは黙っておいた。

 

頭にキスしたかったが、それは、ご家族だけに許されることだと思ってやめた。

 

一時間ほどで帰るつもりだったが、思いのほか、長居してしまった。

 

あの人の、この時間を悲しいものだけにはしたくなかった。

 

だけど、そんなのは、わたしの思い上がりで、あの人は、やはりこの時間をも悲しむだろう。

 

 

 

 

次の日、猫がお空に還っていく時間のだいぶ前に、外を出た。

 

その時間まで部屋にいるのは、いたたまれなかった。

 

外はどんより、雲が広がっていた。

 

だけど、時間になる少し前、薄日が差してきた。

 

上を見上げると雲間から太陽が見えていた。

 

なんとなく救われる思いで空を見上げた。

 

あの人も少しは救われただろうか。

 

そんなことを考えながら。

 

 

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